声優コース/ナレーターコース 受講生体験談
小林 なう さん
初めての現場~念願の場所に来たんだ!!という、とてつもない嬉しさ、躍動感―――――
TV番組でナレーションをするという事は、ナレーターを目指した時からの大きな目標でした。そして、初めてのTVでのお仕事が、あの誰もが知っている番組で、しかもいきなりレギュラーで・・・と(※註 テレビ朝日の報道情報番組「やじうまプラス」。毎週月~金放送で、小林さんは火曜日を担当。この時から現在まで3年間レギュラーを務め続けています)。その時の嬉しさは今でも忘れられません。
そしてレギュラー初日
今からプロとしてここでプレイをするんだ!!という緊張感、不安、心細さ、責任感。 同時に念願の場所に来たんだ!!という、とてつもない嬉しさ、躍動感、・・・様々な感情が入り混じっていました。心のテンションは相当高かったと思います。 総称すると「嬉しいプレッシャー」と言うべきものだったかもしれません とにかく本番中は無我夢中でした。原稿と画面とタイムコードとキューランプへと忙しく目を動かしながら、ナレーションをする。
事前にこうしよう、ああしよう、なんて考えていた事は全てすっ飛びました。
MA後若干放心状態でしたが、喜びと充実感で一杯でした。“楽しかった!もっともっとナレーションしたい!もっと表現したい、伝えたい!”と感じたのが素直な感想です。同時に自分の実力も思い知らされましたが。
そういえば・・・足と手が震えていました(笑)
「良いものを創りたい、送り出したい」その一心で番組は制作される。 ナレーターもその一人―――――
番組に関る身になって初めて分かったことがあります。それは当たり前の事ですが、多くのスタッフさん達が一丸となって番組を(作品を)作っているんだという事です。一つのVTRを作るにしても、そこには多くの方達が関っているのです。その数は私の想像以上でした。皆「良いものを創りたい、送り出したい」その一心で番組に携わっているのだと思います。何日も寝ていないというスタッフさんをお見かけする事もあります。決してドラマの世界の話ではなく、本当に不眠不休でみな仕事をしているのです。でも好きだからこそ、情熱をかけられるんですよね、きっと。大げさではなく本当に胸が熱くなります。そして忘れてはならない、私達ナレーターもその中の一人だという事。改めて自覚した時、ナレーターとして何をすべきか・・・プロとしてどうすべきか。(自分だけのああしたい、こうしたいではなく、何を求められているのか、と)それまでの自分自身しか見れていなかった視点から少し視野が広がってきたような気がします。もちろん、まだまだ多くを学んでる最中ですけれど・・・。
時代と共にTVやそのナレーションも変わっていく―――――
最近スタッフさんと話していてなるほど、と勉強になった事がありますのでご報告です (もしかしたらアスクでは個々の先生方が既に教えていらっしゃる事かもしれないのですが・・・)今年になり裁判員裁判が始まりました。それに伴い、TV番組の報道も公平性を重んじるという事により慎重になれねばならないとお聞きしました。
ナレーションやVOで、視聴者の事件などに対する感情や認識を左右してはなりません。 (よくいう“やりすぎない”という事です)今までもそうでしたが、よりいっそうの配慮が必要になってくるようです。時代と共にTVやそのナレーションも変わっていくのだと、改めて認識いたしました。
自分ひとりの“こんな感じのナレーション”では通用しない―――――
現場ではVTRに合わせてナレーションを収録する場合もあれば、素ナレ(※註音楽も映像もなしで、声オンリーで収録すること)で先にナレーション部分のみ収録する場合など、その状況に応じて様々な録り方をします。
VTRがあればイメージしやすい部分も、素ナレだと、画を想像しながらナレーションしなければならない点もあります。 逆にVTRが上がってる場合は、いかに融合させていくか。自分ひとりの“こんな感じのナレーション”では通用しないという事。常に創造性、自分のナレーションに対する客観性、そして瞬発力!一度に様々な物を自分の中から練りだし放出し形にしていかねばならないという事を改めて体感しました。
ミスは許されない一発本番で収録をしなければならないことも―――――
また今となっては当たり前の事ですが、TV番組の多くのMA(※註 ナレーション収録のこと。映像に効果音や音楽を張り付ける調整作業の一環としてナレーション収録もこう呼ばれる。マルチ・オーディオの略)はゆっくり下読みする時間はありません。初見でいきなりVTRに当てていく事もあります。
テスト本番どころか、録り戻し(※註 ナレーションの収録は通常、テスト→本番という流れで続き、ミス等があった場合はその部分を収録し直すが、時間が非常に限られている報道の現場では、テストも録り直しもなく、一発本番で収録する時がある。それを録り戻しという。ミスは許されないシビアな収録。)で収録しなければVTRが出せない切羽詰った状況になる事もあります。録り戻しなどは、自分のミスがVTRを出せない原因に直結したりする事もあるわけです。ですからもちろん多少なりとも緊張をしますが、その自分自身をどうコントロールすべきか、どうしたら自分のベストの状態でMAに臨む事ができるか。そこに至るまでの様々な工夫をした事は(リラックス方法であったりメンタルの置き方であったり)現在非常に役立っています。
癌看護の職場で、患者さんの“悔いのない人生を”という言葉が背中を押してくれた―――――
小中学生時代、運動会になれば実況放送をしたり、はたまた部活でお芝居をしたりと、何かしら表現したり、発信したりする事が好きでした。大きくなったらTVで喋る人になりたいと淡い夢を抱きました。きっと原点はこのあたりだと思うのです。誰にでもある子供の頃の夢。
ずっと看護師として主に癌看護に携わってきました。もちろん看護の仕事は好きでしたが、それ以上に心の奥から湧き上がってくる「喋り手として仕事をしたい!」という感情を抑える事はできなかったのです。“悔いのない人生を”そう背中を押してくれた患者さんの言葉は心に沁みました。可能性がゼロでないかぎりやってみよう!一大決心で、ナレーションを学び始めたのです。
もちろん、この仕事は生涯学び続けるもの。私の学びはまだまだ始まったばかりです。 現在は情報報道番組がメインですが今後はバラエティーなどにもどんどんチャレンジしたいと思います。また得意分野である医療に関するナレーションにもいずれ携わりたいという希望があります。医療番組というとどこか堅苦しいとか怖いイメージかもしれませんが、その枠を超えた新しい医療のあり方やスタイルを、ナレーションという形からも様々にアプローチできたら嬉しいです。
目に留まったものを色々な状況でナレーションしてみたり、TVで気になったナレーションは録画して研究したり―――――
普段は情報報道番組でお世話になっていますので、日々のニュースや新聞には必ず目を通しています。ある程度の情報がある事により、ディレクターさんはじめスタッフさんともスムーズに話ができますし、それによってディレクションそのものが変わってくるように思います。様々な媒体があり(TV・新聞・PC・など)それぞれの視点が異なる事もあり非常に参考になります。ただ、それらの情報が自分の中で先入観にならないように注意はしています。TVもジャンル問わず良く観ています。今世の中では何が起きていて、何に関心が集まっているのか。この先はどうなっていくのか。情報を発信する側としてアレも知りたいコレも知りたいと、貪欲になっています。
また、時にはCMや情報バラエティーなどのお仕事もあります。普段のレギュラー番組とはまた違うナレーションが要求されます。(いわゆるバラエティー風だったり、時にはドキュメントタッチであったり。)様々なジャンルのナレーションをするにあたり、表現力・幅・想像力が要求されます。 これは、なかなかすぐ身につくものではありません。普段から自分の感情に目を向け、喜怒哀楽をしっかりと感じる事を心がけています。色々なものから刺激を受ける事。そして人と関ること。そうする事により自分の引き出しを増やしている最中です。また目に留まったものを色々な状況でナレーションしてみたり、TVで気になったナレーションは録画して研究したり、普段の自分の話し方に目をむけてみたり、あえて変な喋り方をしてみたり。あぁ言葉って、無限大の表現と伝え方があるんだなぁ・・・としみじみ。(もちろん基礎は大事です!逆にいうとベースがあるからこそ、広げていけるのでしょうね。)
ナレーションは人に向けて伝え表現するもの、今まで多くの先輩方にアドバイス頂いた中で何度か耳にした言葉のひとつに「人間力」というものがありました。 上辺でなぞるだけのナレーションではなく、心を動かし伝えるナレーション。 そんな素敵なナレーションが出来るよう、これからも精進してまいりたいと思います。
声も毎日の地味な努力の積み重ねが必要です。継続は力なりですね。―――――
商売道具である声(喉)や体に関しても、普段からケアを心がけています。 局やスタジオは機器が沢山あるので必然的に乾燥しやすい環境です。 また夏は冷房がきつい事が多いです。マスクの常備・水分の補給(喉は潤いが大事)・うがい・手洗いは欠かしません。首元は冷やさないほうが良いと聞きますので、夏でも冬でもストールは持ち歩いています。その他は、花粉症対策や風邪(インフルエンザ)対策にはじまり日頃の体調管理と病気の予防に気を使う・・・といったところでしょうか。いざ現場に出てから始めるよりは、今のうちから習慣にしても良いのかもしれませんね。
その他、MAは時間を選びません(笑)早朝であったり夜中であったり、拘束時間も8時間くらいあるものから時には10分で終わってしまうものまで。 そんな時自分の傾向を知っておくとよいかもしれないですね。 立ち上がりが悪いなら早めにスイッチを入れておくとか、持久戦が弱いなら体力(持久力)をつける工夫とか。そういえば、ナレーターさんや声優さんで、ジムでせっせと鍛えてる方は意外と多いです。体が資本だからでしょうか。
個人個人で状況は変わってくると思いますが、声と体と心は直結しています。 ストレス発散も大切です。上手く発散できると、様々な事の切り替えがスムーズに出来るような気がします。また仕事のない日でも、きちんと声を出すこと。 スポーツ選手が毎日トレーニングするのと一緒で、声も毎日の地味な努力の積み重ねが必要です。継続は力なりですね。
録画した番組の原稿を書き起こし、ナレーションを当てて録音してみる―――――
アスクの授業で役だったこと。まず、スタジオを使ってのレッスンで実際のVTRを使っての授業は、当時現場経験のなかった私には非常に役に立ちました。
以後、家でも自分で番組を録画し、原稿を書き起こし、実際にナレーションを当てて自分でIC等で録音してみるというトレーニングをしていました。かなり時間のかかる作業ではありますが、着実に力になるとおもいます。 また、聞いて書き起こすという作業、実は耳も鍛えるんじゃないだろうか?個人的に思っております。(声の職業にとって耳は大事だとおもいます。たとえば私も地方出身なのでアクセント等は随分と苦労しましたが、現場ではもし違った場合は即直すことが出来なければなりません。色んな方のナレーションを聞いて書く事によりだんだんと耳が様々な音に慣れ親しんでくるとでも言いましょうか・・・。音の情報が増えるというのでしょうか・・・上手くいえませんが、とにかく鍛えられた気がいたします。きっと人と自分とのナレーションの違いに次第に敏感になってくるからかもしれませんが)
その他(当時ナレーターコースだった頃は)授業をICで録音し、その日のうちに聞き返して復習。後日CDに収録を全部おとして頂いて、きちんとした媒体で再度聞きなおす事によって、改めて改善点を明確にしていく、という事も行っていました。
時間を空けて自分のものを聞きなおすという作業は、自分のナレーションを客観性を持って聞くという視点では良かったように感じています。
スタッフの皆さんがワーッと立ち上がって一斉に拍手をして下さった―――――
今までで、印象に残っている仕事のことをお話します。とあるお現場でのこと 声がイメージに合っているという事でお声をかけて頂き現場へ。 当初は少し落ち着いた声をメインに・・・という方向だったのですが MAを進めていくうちにクライアントさんやプロデューサーさんの意向もあり、弾けた感じで元気にかわいくやってみたらどうだろう?とご提案が。 それまでとイメージの違うナレーションの要求があったのです。
正直少し不安もありましたが、「行けそうですか?」の問いに「はい!」と元気良くお答えし、いざMA再開。その時は今の自分に出せるものは全部出した!といえるくらいやり切った感がありました。 ブースから出てきたとき、クライアントさんはじめ、スタッフの皆さんがワーッと立ち上がって一斉に拍手をして下さった時は、なんともいえない嬉しさと、ナレーションで役に立てたかもしれない、という想いと、やり切ったあとの充実感と・・・支えてくださったスタッフの皆さんに感謝の気持ちで一杯になりました。 ただ、引き出しの大切さ、イメージの転換、ガラッと表現を変えていくことの勇気等、普段からの積み重ねが必要不可欠だと改めて実感しました。 たまたまはまったとも言えるので、これを機に気を引き締めて努力を重ねていきたいです。
読む練習だけでなく、想像力を持って実際に形にしてみる練習も必要―――――
やじプラである日“おやじカンガルーのハッチ”のVO(※注 ボイスオーバー。 テレビ番組のニュースやドキュメンタリーの外国人へのインタビューで、原語の 外国語をバックで流しつつ、翻訳された日本語を喋ること。事件当事者の声に 代わって語る手法も同じもの)をとお願いされました。あの有名な須坂動物園に いるハッチです。戸惑いました。カンガルーはまだ良しとして・・・おやじかぁ・・・ と。正直、おやじ役のVOなど未経験です。そしてディレクターさんから一言 「VOはラップな感じで!」
報道情報番組でも、明るい話題などはこのように楽しいVTRを作ったりもするのですがいやはや、これは正直難題でした。結果は・・・お恥ずかしい限りです。 ただ、スタッフさんは「カンガルーっぽくて良かったです!」と仰ってくださいましたが。(慰めてくださった?)
現場では、時々想像しえないナレーションやVOをしなければならない事もあるかもしれません。ナレーションを読む練習だけでなく、想像力を持って更にそれを実際に形にしてみるという練習は普段から必要です。
好きな事をしているから苦労は感じないといいますが、今まさにその通り―――――
ナレーターとして様々な事を伝え表現出来る、そのこと自体、私自身非常に喜びでもあります。現場に行くときはいつもとても楽しく幸せです。やはり、ずっとやりたかった仕事が出来ているからこそだと。聞いてくださる(観てくださる)方がいる限り、何処までも頑張れそうな気がします。
例えば、ナレーションで誰かの人生を変えようだとか、誰かの心を鷲掴みにしようとか、そこまで大それた考えはありませんが、私達が発信する様々な事によって、少しでも何かしら感じて頂けるのであれば、それはとても光栄な事です。 多くの方に喜んで頂けるものを表現し続けたいです。
また番組や作品に携わる多くのスタッフの皆様と、ともに力を合わせ、それぞれの役割を最大限に生かして作り上げていくという過程にも非常に魅力を感じます。多くの方に支えられ、仕事が出来る事の幸せ。感謝しきりです。
よく、好きな事をしているから苦労は感じないといいますが、今はまさにその言葉通り。 ただ、悩みはもちろんあります。表現への悩み、実力への悩み、求められたものを提供できているのか何より観てくれている方はどう感じているのだろうか・・・などなど。成長していくからこその悩み。でも一つ一つ丁寧に真摯にそして楽しく対峙していきたいと思っています。
緊張するのも悪くない!!表現者として、一つ一つが経験で肥やし―――――
個人的には「やりたいことは向いてる事」だと思っています。 夢を行動に起こしたとき、初めてその夢は目標になります。 目標は叶えられる日を待っています。諦めないという事も必要かもしれませんし、努力を続けるという事も必要不可欠。でも、何よりも「好きだ」という気持ちが一番大事かもしれません。純粋な気持ちを是非大切にしてください。
そして初めて現場に行かれる時、もちろんドッキドキですよね。初めての事は誰でも緊張しますが、緊張するのも悪くない!!表現者として、一つ一つが経験で肥やしだと思っています。その状況を楽しんでみるのも一つです。全く同じ日、全く同じ状況は二度とないのですから!
そして・・・はやりこの世界、正解はないように思うのです。色んな表現方法があり、時代と共にそれらは変化していく。常に色んな事にアンテナを張っていく事を普段から意識していく事が必要だと思います。
テレビ朝日「やじうまプラス」のレギュラーを3年間続けてきて思うこと―――――
慌しい現場では、ある意味ツーカー的な事が求められます。
番組自体の方向性、VTRの方向性など双方が共通の認識を持っている事も欠かせません。良いものを作る為にはやはりスタッフさんのことを知り、自分自身の事も知って頂かねばなりません。ナレーターとしての意見を聞かれる事もあります。よって普段から時間のあるときは積極的にコミュニケーションを取るように心がけてきました。(最初は緊張しましたが)番組をつくるという事の大変さは想像以上でしたが、その楽しさ、やりがいもまた想像以上でした。同時に、多くのスタッフの皆様に支えられてここまで来ることが出来たんだと、改めて感謝の気持ちで一杯になります。全てはチームワークです。だからこそ、その中でのナレーターとしての責任というものも痛感しております。また、ナレーターの番組内での役割、、、VTRを作ってこられた皆さんのアンカーであったり、あるときは番組の道しるべ的な役割を持ったり、と様々ですが、そのなかで自分の持てる力を出し切り、よい作品を送り出すに相応しいナレーションをする事への飽くなき探求がいかに大切であるか。日々反省を繰り返しながら感じていることです。
アスクのスタジオ収録授業~実際の現場に出たときに多いに役立つ―――――
アスクの大きな特徴の一つ。それはスタジオがあるという事でしょうか。
実際の授業で本番さながらにレッスンをうけられるのは非常に貴重だとおもいます。マイクを通した自分の声に慣れるという事も必要ですし、マイクワークも学べます。これは実際の現場に出たときに多いに役立つものです。
また、アスクの講師の先生方、スタッフの皆様には、授業のみならずいつも様々な相談に乗っていただいたりアドバイスを頂いたりと、大変お世話になりました。目指す道の途中、どうしても迷いが生じたり、分からなくなってしまったり・・・
悩みは尽きませんでしたがそんな時に、親身にアドバイスをいただけるという事はとても心強くありがたいものです。
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